9月の文庫新刊

9月の購入予定の文庫新刊は。

石田衣良『Gボーイズ冬戦争/池袋ウエストゲートパークVII』(文春文庫)
最初の文庫を初めて読んだときの衝撃は今も忘れていない。それ以降のノン・シリーズで満足したことはない。このシリーズだけが私の心を動かしている。

北村薫『玻璃の天』(文春文庫)
直近の直木賞受賞作『鷺と雪』は<ベッキーさん>シリーズの第3作で完結篇だが、これはシリーズ第2作。グッドタイミングな文庫化だと思います。シリーズ第1作の『街の灯』が面白かったので、期待している。

今野敏『茶室殺人伝説』(講談社文庫)
旧作の文庫化ラッシュが止まらない、今野敏のこれまた発掘された作品。相当初期の作品のよう。面白いかどうかは別にして、気になる作品である。

佐藤亜紀『鏡の影』(講談社文庫)
盗作騒動の被盗作作品の文庫化。佐藤亜紀はこの騒動で新潮社からすべての版権を引き上げている。先日文庫化された『戦争の法』と同様の運命を辿っているが、捨てる神あれば拾う神ありで、佐藤亜紀の評価が上がっているのが皮肉なところ。当事者のもう一人の新刊は講談社から出ているというのも、面白い。文壇って。

橋本治『双調平家物語6』(中公文庫)

荻原浩『四度目の氷河期』(新潮文庫
直木賞を他の有力作品とともに獲得できなかった作品。あの時は、授賞作なしにのけぞった記憶がある。

◎ジャック・リッチー『クライム・マシン』(河出文庫
海外の短篇奇想小説が一部で流行したことがあったが、これはその中でも収穫といってよい作品。ジャック・リッチーは全部図書館で借りて読んだはず。

香納諒一無限遠』(小学館文庫)
『春になれば君は』(角川文庫)の改題再文庫化で事実上の復刊。角川ミステリーコンペティションという名前で13名の作家が書き下ろしで競うという企画があった。中途半端な結果で終わったのだが、これはその1作。この作品を読んで、以降香納諒一を追いかけることになった。買うかどうかは加筆修正が行われているかどうかで決まる。