7/3 樋口有介『プラスチック・ラブ』(創元推理文庫)

プラスチック・ラブ (創元推理文庫)

プラスチック・ラブ (創元推理文庫)

佐藤亜紀『戦争の法』を読んでいたが、出張の移動中に読むためにそちらを中断して『プラスチック・ラブ』を読むことにした。
二日間で読み終わったが、リーダビリティは相変わらず高い。8作の短篇が収録された短編集。
高二の時代、ここまで大人だったことはなく、こんな高二だったらもう一回高二に戻ってもいいな。やけにもててるし。
木村時郎という少年が8作すべての主人公だが、名前は記号であり、樋口有介作品の主人公の少年はすべて木村時郎という名前でもいいし、全部名前が違ってもなんら差し支えがない。
どちらにしても、長年文庫化を待っていた作品であり、まさに待望の復刊と言っていい、佳作でしょう。