【落語】1月27日 入船亭扇遊独演会@神奈川県民ホール小ホール

第268回県民ホール寄席 入船亭扇遊独演会
<演目>
入船亭遊一 真田小僧
入船亭扇遊 天狗裁き
入船亭扇遊 厩火事
〜仲入り〜
入船亭扇遊 付き馬
18:30-21:00


今、最も贔屓にしているベテランが扇遊師。普段は全く独演会をやらないし、『落語家の了見』でのインタビューでも独演会はやらないと言っていた。その扇遊師が独演会をやるとあっては行かずばなるまい。


落語を聴くのに県境を越えるのは初めて。特に帰りの時間を考えるとなかなか難しい。しかし、結果としてはそんな気持ちなどどうでもいいと思える最高の独演会だった。


会場は扇形の劇場で天井が高い。そんな会場にお客さんは半分も入っていなかった。仲入り後は席を移動してゆったりと聴くことができた。


先日の遊雀さんの会との予期せぬリンクは「飲んで脱ぐ」(笑)。そんな話もたっぷり聴けるのも独演会のいいところ。


前半は『天狗裁き』と『厩火事』。寄席ならまず並ばない取り合わせ。おさきさんが本当に可愛らしい。扇遊師は廓噺の喜瀬川も素晴らしいから、本当に女性が上手いということかな。
この二つの噺は、寄席でも何度か聴いているが、寄席バージョンよりたっぷり目。短くても長くても全く違和感を覚えない。それだけ精緻に瞬時にストーリーを構築できるのだろう。


仲入り後は『付き馬』。女性が出て来ない廓噺。前半に夫婦の噺が二席続いたので廓噺はやらないかと予想していたが、嬉しい誤算。これがまた素晴らしかった。調子のいい客を本当に明るく演じていた。いつか扇遊師の『居残り佐平次』を聴いてみたくなった。絶対面白いはず。


最近は寄席や落語会に行っても、緊張の糸が緩むことを自覚することが多かった。今回、改めて落語を聴くワクワク感を思い出すことができた気がする。


こんな素敵な独演会を企画してくれたお席亭さんに感謝したい。