5/22 新宿末廣亭五月下席昼夜興行(昼主任:三遊亭笑遊、夜主任柳家蝠丸)

今席の末廣亭は昼の主任が三遊亭笑遊師、夜の主任が柳家蝠丸師と、今の芸協の中堅真打では最も実力のある二人。これは行くしかないでしょう。

開場15分ぐらい前に到着。30人ぐらい並んでいました。長丁場になるので足が伸ばせる可能性がある桟敷席を確保。桟敷席は観客の表情もよくわかるので、結構好きな場所です。お客さんは逆に観察されている、ということも覚悟していただきましょう。

昼の部はピーク時で一階が桟敷含めて満席、夜の部はピーク時で70名ぐらいでした。

演目

昼の部
小笑 「転失気」
夢吉 「あたま山」◎
初音 (太神楽)
柳橋 「不動坊」○
金遊 「開帳の雪隠」
ぴろき (ギタレレ漫談)
南なん 「壺算」○
右京 (漫談)
Wモアモア (漫才)
伸治 「あくび指南」○
右紋 (いつものこどもの弁当)
小天華 (奇術)
米丸 「スリル」
〜仲入り〜
遊吉 「道灌」
京太・ゆめ子 (漫才)
笑三 「安全地帯」
夢太朗 「禁酒番屋」○
ボンボンブラザース (曲芸)
笑遊 「寝床(の序)」◎

夜の部
昇々 「牛ほめ」
里光 「動物園」
真理 (漫談)
ひまわり 「笹野権三郎(槍の権三)」◎
伸乃介 「高砂や」
D51 (コント)
栄馬 「長短」
小圓右 「酢豆腐」○
ひでや・やすこ (漫才)
圓馬 「本膳」
遊三 「たがや」
〜仲入り〜
文月 「看板のピン」
まねき猫 (ものまね)
圓輔 「夢の酒」
双葉 (時間調整)
圓雀 「浮世床
マキ (奇術)
蝠丸 「死ぬなら今」◎
11:50-21:00

長丁場だから、そりゃ寝ることもありますわ。昼はともかく夜はきつかった。二日続けて落語を聴くもんじゃないですね。今までは同じ興行でも観たい師匠がいれば何日か続けて行っても苦にならなかったのに、今回はちょっとね。ということで今回は、「とても面白かった噺」には◎を、「面白かった噺」には○をつけてみました。

三笑亭夢吉さんの「あたま山」。珍しい噺をやります、ということで「あたま山」。スジは知ってましたが初めて聴く噺。ナンセンスでいてラストが凄惨なので、根っから明るく話す夢吉さんには合っているような気がします。

春風亭柳橋さんの「不動坊」。昼一時前にやる噺じゃありません(笑)。時間もないし、湯屋のシーンまで。いや、結構面白かった。柳橋さんは襲名披露も観てますが、密かに期待しています。

三遊亭笑遊さんの「寝床」。このセンスはどこか桃太郎師匠に繋がるものがある。義太夫を聴きにいけない理由が独特。だから、聴きにいけない理由が終わったら、時間切れ。それでもメッチャ面白かったですよ。七月には池袋の夜席の主任もあるので、そちらにも行ってみたいと思います。

夜の部では日向ひまわりさんが良かった。歯切れはいいし、容姿が優れていて上品さも併せ持っている。ファンになりました。

トリは柳家蝠丸さんの「死ぬなら今」。ご自身でも「珍しい噺。珍しい理由はあまり面白くないから」とおっしゃっておりましたが、初めて聴く演目。この噺は最初にサゲを言うらしく、それが「死ぬなら今」。「片棒」でも有名な赤螺屋ケチ兵衛さんが死んだあとの噺。蝠丸さんはこういう珍しい噺をやってくれるから見逃せない。もちろん抜群に面白い噺でした。

トリのためにすべてを犠牲にするのは疲れました。二日同じ噺をやっても飽きない噺家さんもいますが、芸協だと「春雨宿」の桃太郎さんぐらいでは?来週は末廣亭は行きません。なにがいいかな。